見るに美しく
香るにふくよかで
ティーにすると
心と腸をきれいにし、
白くクスミのない肌にするという
ダマスクローズ。
ダマスクローズのつぼみを
ハーブティーとして内服する時、
そのつぼみの中の雌しべや雄しべ、
固いがくの部分までしっかりと、
熱湯でその成分を浸出させ、
香りを嗅ぎながらゆったりと飲みます。
気持ちがふさいだり、
悲しくなったり、
それともつらい気持ちが
なんどもなんども浮かんできたり…
そんなこころを癒してくれます。
これは、今を生きる私たちだけのものではありません。
古い時代のハーバリストと
そのクライアントであった王や貴族たちにとっても、
ダマスクローズの食養生は、貴重でかつ有用なものでした。
高貴な姿と香気をもつダマスクローズ、
このバラに魅せられた王や貴族はたくさんあります。
その歴史はとても古く、
5000年以上前のメソポタミアやミノア文明下では、
神々への捧げものとして、
また女神を彩る壁画のモチーフにも使われています。
2000年ほど前のエジプトやローマでも同様でした。
古代エジプトのクレオパトラは、
遠くダマスクスから運んできたこのバラと、
はちみつとアーモンドのパックを美容に用いていました。
古代ローマの皇帝ネロは、
バラ風呂やバラ酒、バラのケーキなど、
あらゆるレベルでダマスクローズを用いています。
古代ローマは、
熱狂的な薔薇のファンの多い文明国家でした。
古代ローマの博物誌家プリニウスは、
刺激が少なく薬効性の高いバラ油が、
軟膏や目薬、食用やスキンケアなど
様々な用途に有益であると伝えています。
では、ダマスクローズのつぼみは、
どのように使われてきたのでしょう。
中世から現代にかけての様子を少しのぞいてみましょう。
10~11世紀にかけて活躍したアラビアの錬金術師イブンシーナは、
治療結核患者にダマスクローズの食養生を行うことによって治療していました。
また、中世ポルトガルの副王の妃は、
7ヶ月の間、薔薇の保存食ばかりを大量に食べ続けたおかげで結核が治り、
よりいっそう美しくなったという逸話が伝えられています。
20世紀フランスのハーバリスト、モーリス・メッセゲは、
彼自身のクライアントの結核を一年間、
ダマスクローズとハチミツだけの食養生で奇跡的に健康にしました。
中世から現代までのダマスクローズの食養生を見てみると、
あらわれてくるキーワードがあります。
それは、「肺」と「血液」の浄化です。
中世から現代にかけてハーバリストたちが活かしてきた
ダマスクローズの食養生をまとめると。。。
ダマスクローズのつぼみは、肺と血液の浄化とともに、
のどと鼻、気管のつまりに大変よく効き、
消化器系の慢性的な炎症や下痢、赤痢にも効果がある。
腸内のアンバランスな菌の状態を改善し、
体細胞全般の炎症を鎮静する。
ダマスクローズのつぼみは、古い時代からこのかた、
こころを癒しながら、肺と腸と血液と肌をきれいにするハーブのようです。
試していただきたいダマスクローズのつぼみのブレンドティ―
ダマスクローズのつぼみとセントジョーンズワートをブレンドして、
目の疲れが気になる時や、ストレスで気持ちが沈んだ時に・・・